仕様書がないシステムの調査では、いきなりソースを読み始めないことが大切です。最初に確認するのは、そのシステムが止まったときに業務へどんな影響が出るかです。影響の大きい機能から順に調べると、限られた期間でも調査の価値が高まります。
二つ目は、データの出入り口です。画面入力のほか、夜間バッチ、他システムとのファイル受け渡し、手作業のCSV取込みなど、データがどこから来てどこへ行くかを洗い出します。仕様書がなくても、ファイルの置き場所とジョブの実行履歴からかなりの部分が分かります。
三つ目は、現場の「暗黙のルール」です。画面上は入力できるのに運用上は使わない項目、月末だけ手で直している数字など、担当者の話を聞かないと出てこない例外があります。システム側の調査と並行して、利用部門への聞き取りを必ず設けます。
四つ目と五つ目は、稼働環境と保守期限の確認です。OS、ミドルウェア、ライブラリの版数と、各サポート終了時期を一覧にします。調査の最後には、そのまま使い続ける案、部分改修、再構築を並べ、費用とリスクの比較表として報告します。